ここ何年か外壁の構造について検討を重ねている。
まずベースについては木質断熱材を本命として考えている。これについては後日述べたい。
次に仕上材であるが、NHLを本命と考えている。
NHLとは天然水硬性漆喰のことである。簡単に説明するならば水でも固まる漆喰のことであり、漆喰とセメントの性質を併せ持つ材料である。
セメントは強度発現が比較的早い材料であるが、比重が高く、外壁材に使う場合には軽量骨材と混ぜて軽量モルタルとして塗る必要がある。軽量モルタルはプレミックス材がいくつも販売されているが、その成分は公表されていない。
NHLは初期の強度こそそれほど高くはないが、時間を掛けて強度が増していく材料である。また比重も1.4程度で軽量骨材と混ぜる必要がない。素性のしっかりした材料と言える
また、NHLは水硬性の性質により、厚塗りが可能である。漆喰ではその初期強度の問題で厚塗りが難しい。
薄塗りしか出来ない漆喰はその下地にセメントモルタル等を用いる必要があるが、NHLであればセメントを使う必要がない。
一方で、NHLは呼吸をする素材である。断熱材内部に入った湿気を外部に放出しやすい材料である。
現在主流の工法では透湿防水シートを用いて防水しながら呼吸させている。ただし、放湿先は通気層である。一派的な通気層は18mm程度で、うまく空気が流れない可能性のがある。
信頼性の低い通気層よりも断熱材に直塗りをし、外壁仕上と放湿性能を持つ直塗り工法の方が良さそうである。
これらの点から木質断熱材にNHLを直塗りする工法を今のところ本命として考えている。
私はこの方式を新時代の漆喰壁(土壁)と言いたい。性能、耐久性、エコロジー、様々な面で優れた外壁だと思う
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